健康の情報

お医者さんに聞けない話

「病状や症状と関係ないから、お医者さんには聞きにくい」 「忙しい診療の合間に、つい聞きそびれてしまって」 そんな、みなさんの"お医者さんに聞けない話"をみなさんに代わってお医者さまにお聞きしたり、私たちからアドバイスします。 どんな小さなことでも、お気軽にご質問や疑問をお寄せください。 『お問い合わせ』ページからどうぞ。

Q. 風邪をひきやすい人、ひきにくい人の違いがあるの?

風邪をひきやすい人、ひきにくい人というのは、どのような違いがあるのでしょうか?
お薬が効きやすい体質とかもあるのですか?

まず、風邪をひきにくい、ひきやすいというのは一般に線引も難しいですね。どんな人でも風邪をひいてしまうことはあります。ただ、風邪に限らず、きちんと処方されたお薬を用法を守って服薬し、素直に病気と対峙する人は相対的に治癒するのが早いかもしれません。
 私たちから見て、困ったなと思うのは、自己流で薬を使ったり使わなかったりしてしまうケ−ス。風邪のウイルスに限らず、菌をやっつけるときは、とことんやっつけることが大切。症状が治まったからといって薬の服用をやめてしまうと、残った菌がかえって耐性を持って強くなってしまいます。そうなると薬が効かないということにもなりかねません。薬の効果や用法に疑問を持ったら、自己判断はなさらずに頼れる薬剤師にご相談ください。

Q. クスリの服用の仕方に食前・食間・食後があるのはなぜ?

もらったお薬が食前・食間・食後とバラバラで面倒なときがありますよね。なぜ、どれかにまとめることが出来ないのか疑問です。

お気持ちは分かります。クスリの用法が異なるのは、クスリの性質によって身体への吸収のされかたが異なるから。風 邪薬や痛み止めなどの代表的なお薬は『食後』の服用になっていることが多いのですが、それは薬が胃の粘膜に作用して胃を荒らしてしまわないよう、胃に食べ 物が残っている食後に服用します。逆に食事の内容によって作用に影響があるお薬の場合は、食間や食前に服用します。ちなみに食間を食事中と誤解される方が ときどきいらっしゃいますが食間とは、一回の食事と次の食事の間という意味。お薬に応じた服用の仕方には、きちんと理由があるのですね。

Q. お薬にも飲み合わせがあると聞きましたが、どのようなものですか?

市販の胃薬やビタミン剤などを常用していますが、処方された薬と一緒に服用しても差し支えないのでしょうか?

お薬における“飲み合わせ”とは、異なる薬が相互に作用し合って、薬の作用を増幅させてしまったりすることを言い ます。特に、最近ではOTC薬と呼ばれる一般薬にスイッチされた薬も増えているので、より一層飲み合わせには気を配ったほうがいいでしょう。普段、どのよ うな一般薬を服用しているか、薬の商品名も合わせてお伝え頂ければ、薬剤師が適切なアドバイスをさせていただきます。中には、薬の名前(商品名)が違って いるので大丈夫と思って、同じ作用のクスリを飲み合わせてしまうこともあるので気を付けてください。

Q. 風邪気味でしんどいときに市販の栄養ドリンク剤で薬をのんだりしても大丈夫なのか知りたい。

元気を出したいので、栄養ドリンクで薬を飲むことがありますが、何か問題はあるのでしょうか?

お薬は基本的にはお水が、湯冷ましで飲むようにするのが一番いいと思います。ご質問の栄養ドリンクですが、成分の なかにアルコ-ル成分が含まれているものも多いので、お酒で飲むのと同じように薬の作用が増幅されたりして身体に負担を強いることもあります。また、お茶 もタンニンという成分がお薬の作用や吸収に影響を与えることがあるので避けたほうがいいでしょう。また、血圧のお薬である降圧剤の中にはグレ-プフル-ツ ジュ-スで極端に作用が増幅されるケ-スが数年前に明らかになったこともあります。

Q. 貼り薬って、どれくらいの時間貼らないと効き目がないの?

貼り薬をもらっていますが、時間がたつと汗ではがれやすくなって困ります。どれくらいの時間、貼らないと効き目がないのか知りたいです。

一般的な経皮鎮痛消炎剤の場合は、大体3時間くらいで薬の成分が皮膚を通して吸収されますので、もし汗をかいてはがれやすくなったりしたときは、それ以上の時間無理に貼り直さなくても構いません。ただし、最近は経皮吸収型製剤と呼ばれる新しいタイプの貼り薬も増えて いますので、それぞれの用途・用法は薬剤師にご相談ください。

Q. 薬の効き目が感じられないので、薬を変えてほしい

長期間同じ薬を服用していますが、あまり薬が効いているように感じられません。薬を変えてもらうことはできるのでしょうか?

慢性的な疾患の場合、お薬とのお付き合いも長くなりますよね。そうしたときにお薬の効果に少し疑問をもたれるとい うのも、もっともなことだと思います。けれども大切なことは、治療全体の中でお薬の受け持つ役割と目的をきちんと理解しておくということ。自覚できる効果 がない(症状が軽減されない)からといって、お薬の服用を自己判断でやめてしまうのは、マラソンでゴールをまたずにレースを棄権してしまうのと同じで、治 療全体のゴールを遠ざけてしまうことにも。お薬の中には、分かりやすく症状を緩和させるもの以外にも、症状が進まないように時間をかけて身体の中の働きを コントロールするものなど、いろんな役割・働きを持ったものがあるのです。